2021/10/25(Mon)電工二種試験対策にやったことメモ(筆記試験編)
2021/12/25 23:52
仕事としての実務経験はないですが、全く電気に対して初心者というわけでもない微妙な立ち位置なので、全くそのまま当てはまる人は少ないでしょうけど、参考になれば幸いです。
資格について
まず電工二種とは、第二種電気工事士という電気工事を行うために必要な資格のことで、これをもっていれば低圧の所謂100Vとか200Vのコンセント増設工事だとか、配線が必要な100Vの電灯の設置が出来るようになります。なぜ電気工事士を?
ぶっちゃけると、必要に迫られてというよりは、何かの時に役に立つだろう、といった程度で、「おうち時間」が長い今の間に気分転換がてら…的なノリで受けることにしました。もともと電気工作とか、ハンダ付け程度はやったことがあったので、どうせ受けるならその延長で行けそうなヤツの方が興味も沸くかなと思いまして。と、いう話が2021年の8月末。とりあえず、そのままぷらっと本屋に参考書を見に行くことにしました。*1
参考書選び
とりあえず仕事に必要というレベルでないので、専門学校やオンラインスクールへの課金はパスし、社会人で週末のスキマ時間で何とかしたい……ということで、参考書を選ぶことに。まあ時間もないし、見もしない参考書を買っても無駄になるし…ということで、この1本で行くことにしました。選んだのは、以下のやつです。
すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2021
ちょっとくだけた名前のゆるい題がついてますけど、結論から言えば、割と使い勝手が良かったです。*2 あと、手に取った参考書の部類の中では最も安かったですね(爆笑)
ちなみに、初めに間違えて「第一種」(高圧)の参考書を手に取ってしまい、「なんじゃこれ……電気工事士ってこんなに難しいのか…(知らない用語が多すぎて)とても受かる気がしない……」と落ち込んだのはナイショです。*3
良かった点は、
- 10年分の過去問がジャンル別に網羅されており、さらに頻出のものと区分けがある
- 学習できる残り時間に合わせて、問題を飛ばしながら全体を対策できた。(過去問そのものをいきなり解くよりも○)
- 最初の方は写真鑑別で、試験のように計算問題ではない
- 飽きずに取り組み始められた。
- ハンディサイズながらもカラー刷りで、最小限の解説が付いている
- だいだいの問題はそれを見て勉強・理解できたし、試験前に読み返す時も右ページだけ見れば良いので楽。
- オマケでPDF形式の暗記シートがDLできる
- スマホでスキマ時間に写真鑑別の復習が出来て○(全部は目を通せなかった)
- 見開き右ページに書かれた解答を赤シートで隠しながら解くスタイルとはいえ、問題によってはレイアウトの都合上、左ページに、問題文と解答、右側に施設図という部分もあり、赤シートで隠す場所を間違えたことも。数問だけですが。というわけで、いくらハンディでも机がない場所で勉強するにはやりづらそう。(ただ、試験直前に右ページだけ見返せば良いのは楽だった)
どたばた申込
この「電気工事士ってのにチャレンジしてみるか~?」と思いついたのは、2021/08/29の日曜日でした。上記の通り、この日は夕方に本屋に偵察に行っだたけで帰宅。いろいろ見た結果、ほぼ全てのテキストに年度が入っていたので「年度毎に書籍があるなら、試験日次第では最新の2022年版が出てから買った方がいいな?」と思って買わなかったんですが、夜に試験センターのHPを見てみると、なんと9/2までまだ申込可ということが判明!
だったら、せっかくなので…ということで、日を跨いで翌8/30、勢いで試験申込と入金を済ませ、その後にやっとさっきの本をオンライン注文しました。(順番…
勉強内容と時間
一番気になるのはここですよね。「平日は仕事でクタクタなので、参考書を開く気にもなれず……」というのは社会人あるあるかと思いますが、実際自分もそうで、平日は1pも取り組んでません。
さっきのハンディ本は全590題もあるので、パッと見かなり大変そうに感じるものですが、全部4択ですし、序盤は「この図記号に相当する物の写真はどれか?」といったQuizなので、実は割とサクサクできます。
(ただ、最後の方に出てくる複線図の章は、さすがにメモに作図しながら出ないと答えが選べないので、ここはちょっと時間を取ります。)
各章をどんな感じで進めていったかですが、多少の電気知識(オームの法則とか)は理解しているので、何も見ずに最初は勘でやっていきました。これだけでもそこそこは得点できます。
- 写真鑑別
- 選択肢の特徴・使っている風景を考えてみたり、選択肢間で微妙に違う点がどこかを見ました。解説本が手元にないので、間違えた選択肢の器具名でググって、実際に使われている写真を見たりしながら、例えば「ガストーチで金属管をあぶったところで曲がる訳ないわ…」みたいなツッコミを入れつつ進めました。*4
- 図記号
- 形を想像したり、傍記表示*5を判別してみました。ここは、英語表記が分かればそのまま略字になっているだけなので、規則性を見つけたら後は芋づるで解けますね。種類は多いですが……。
- 電気機器
- この辺りから馴染みのあるものが少なくなり、耐熱温度や道具の名前が分からないと手が出なくなります。どうせ実技試験も控えているということで、この辺りをやりながらパーツの名前を覚え、リストを作ってホームセンターに半日籠もり、実技練習に必要な部品を買い物してみることで、実物と構造を理解するように努めました。
- 配線設計
- ここは知らない係数がバンバンでてくるので重め。まずは「そういうものか」と思いながら目で追う程度で次へ。
- 電気工事
- ここも係数がちらほら出てくる上に、「可とう電線管」とか「金属線ぴ」とか出てくるので字面だけ見ていると理解不能になりますが、そのたびにググって写真と対応したり、どういう場所で使われるかの実例写真を見ていくと、「あぁ、こういう場所に使われてるヤツだから、湿気の多い場所でも平気やな」とか、「金属線ぴって、業務用エアコンのリモコンとかで見るヤツ!」(多分)と納得できますし、↑で実技練習に使うケーブルを買ってみたら「こんな堅くて太い電線を、リングスリーブに入れるんだったら、3本くらいしか入らないな」と感覚的に分かってくると思います。(感覚がつかめたら、厳密に覚えるためにちょっと工夫して、1.6mmは1点/本、2.0mmは2点/本と換算して、2点までは小スリーブで極小○刻印、3~4点で小スリーブで小刻印、5~8点は中スリーブ中刻印、14mm^2~は大スリーブ大刻印…とスッと入ってきます。ここは複線図の問題でも絶対に必要となる知識ですのでmust)
- 配線図
- この中では設置工事の条件が大半を占めるものの、中休み的な感じで乗り切れました。
- 検査
- 設置抵抗計とか計器の記号なんか知らんわ~と思いつつ、測定の仕方や器具の名前などの瞬殺で正解できる系もあるので、難易度はほどほどかなと思います。
- 法令
- 難しそうだな~と思いつつ、PSEマークとか、一般用電気工作物となる発電設備の上限を押さえておけば、あとは「そういうものなんだー、へー」で記憶に残るかと思います。
- 理論
- 絶縁電線の許容電流など、値を覚えていないとそもそも解けないものは仕方ないとして、オームの法則に交流回路や三相交流の知識を足せば、そこまでぶっ飛んだものはない印象。とはいえ、電気工事士の資格が不要な「軽微な工事」では、がっつり交流回路を扱う機会もなかったので、最後までその辺りへの苦手意識はありましたけど。
- 複線図
- 最後の最後の章で、多くの人が苦手意識を持つらしい複線図というのが出てきます。でも恐れることはありません。概念的な(単線の)配線図を、実際の部材の電線に相当する線(複線)に置き換えただけの図で、接地線(W)と非接地線(B)に繋がるそれぞれ3種(Wは負荷と、電灯と渡り線で、Bは負荷と、単極スイッチと3路の片方に渡り線)だけのルールに、3路/4路スイッチの繋ぎ方さえ覚えれば、後はいくらでも応用が効きます。こういったことは本書で説明されていないので、ググったりyoutubeのオンデマンド今井さんの動画を1.6倍速で見て学びました。(この人の説明すごい分かりやすい)ちなみに実技の解説動画も倍速で眺めましたが、この方の提唱する(?)「実体複線図」は非常にパワフルだと思うので、実技試験で活かそうと思っています。
そんなこんなで、やっとこの過去問集を一巡できたのは10/3で、約1ヶ月かかりました。
土日の片方は寝てたり、ちょっと外出したりもあったので、連続して勉強したと換算すると、実質3-4日といったとこですかね。
過去問
既に過去問集に取り組んでいるものの、実際の過去試験でどれくらい時間がかかるのか、とか問題の配分傾向を掴みたかったので、ここで一度、過去の試験問題そのままを50題解いてみることに。試験問題と解答は公式サイトにありますし、その解説してくれているサイトもあるので、まあプリンターがある方は、過去問題集の冊子は買わなくて良いんじゃないかなと。コンビニで印刷したとしても1回100円くらいで済みますね。(カラーにするともっと高くなりますが)
で、まずは前回の2021年 上期 午前を両面印刷して解いてみたら…… 50問中38問正解で76%。いちお合格ボーダー60%に届いていたので、ほっとしました。
後から知ったのですが、2021年は結構ひねった問題が多かった(完璧に条件を覚えていないと消去法で消しても2択までしか絞れない等)らしいのですが、まあ健闘できた方かなとは思います。
ざっくり傾向的には、交流回路、許容電流、三相の電熱器と電動機からの定格電流の決定、法令系、がダメで、他の計算問題や写真鑑別、複線図問題はほぼ全問正解ということがわかりました。
なので、過去問集二巡目は、中間の辺をメインで…と思いつつも、最初の方は忘れてしまったのではないかと気になってしまい、結局最初からやり始めてしまい、半分くらいまで行ったところで試験日が近づいてきたので、残りは必須問題だけ見て類題はスキップする方法に切り替えました。結局、過去問集が2巡見終わったのは、試験日の前日(10/23)くらいだったかな…
本番試験まで2週間
少し時を戻して、本番試験の2週間前頃、受験票が届いたタイミングで、ちょっと本番対策が不十分かなと焦ったので、また実際の過去問を試験形式で解いてみました。(2回目)問題は2021年 上期 午後で、結果は40/50問正解で80%です。上々。ケアレスミスで計算間違いしていたり、係数を覚え間違えていたり、そもそも覚えていなかったもの(引込線の地表高さの最低など)も発覚しました。一方で、写真鑑別と複線図は完璧。
Youtube等での解説で、計算問題を後回しにして解くやり方もいくつか見ましたが、マークミスが怖いのと、そこまでパフォーマンスに差は出ず、概ね1時間でちょうど解き終われて、見直しを十分する時間があることがわかったので、私は普通に出題順で解いています。
そして1週間前に3回目、だめ押しで2020年 下期 午前を解きました。43/50問正解で86%です。
最初の方の計算問題も、落ち着いて簡単な図に置き換えてみたり、思い出せる公式を変形してたら誤答を消去法で消すだけでなく、どこが間違っているかを指摘できるようになってました。
ここでも三相の定格電流の問題や、接地線の組み合わせ問題で、係数や以上と以下を勘違いしたりとミスがちらほら。p.12-13の写真と複線図はやはり完璧だったので、ここは十分そうということがわかりました。(過去の出題傾向から、写真鑑別や複線図の問題は使い回しが殆どなので、一度腹に落ちていれば反復学習する必要は無いですね)
他に参考にしたコンテンツ
HOZANの方が作っている筆記対策動画も程ほどよかったです。ただ、どこだったか言い間違いをしていると思われる箇所もあり、Youtubeのコメントを眺めてみるとツッコミが入っていたので、鵜呑みしないようにはした方が良いかと。
自分は2倍速で聞きながら赤ハンディを同時にやっていて、ちょっと気になったもの(知らなかったもの、覚えてなかったもの)の画面が出ていたら、巻き戻してチラ見したり…って感じで見てました。
過去問.comのランダム出題も試しにざざーっとやってみたんですが、スクロールが面倒なので100問くらいやったところで飽きました。解説は色んな文体で書いてあるので、投稿ベースなんでしょうか……。模擬試験をやれば、あまりランダム出題にメリットは無いですね。
あと、解答が腑に落ちない物に関しては、ググる癖をつけておいた方が良いです。字面だけ見て覚えられる人は良いかもしれませんが、私は特に暗記が苦手な方ですので……。
例えば「屋外用ビニル絶縁電線(OW)は、屋内配線には使えない(これは文字どおり)上、屋外の地中埋没にも使うことが出来ないのなんで?屋外のどこに使われてるんだろう…」って疑問が出てきましたが、OW線は主に電柱間の架線に使われていると分かったので、それ以後は「用途違うから当てはまらないな」とすぐ判断できるようになりました。
試験日の過ごし方
私は普段も超夜型で、朝というか午前中は平日でも頭がぼんやりしてる日が多いので、10/24の試験では午後に割り振られて本当に幸いでした。試験前夜は軽く見直して寝るつもりだったのですが、なんだか脳が覚醒していたのか寝付きが悪く……。まあ奇跡的に朝9時頃には起きれたので、1時間くらい余裕を見て試験会場入り出来たのは良かったでしょうか。
とはいえ、朝ご飯が中途半端な時間だったので、お昼は早めに会場入りして、屋外のベンチとかでおにぎりでも食べようかな…と思って移動していたら、試験地では他の資格試験も開催されていた上に、さらに早い時間から待機していた人で構内はごった返してました…。屋外の階段とかベンチで、書籍を広げて最後の追い込みをやってる人も大勢居ましたが、こちらはそれを脇目におにぎりをムシャムシャ……ナメてますね(笑)
試験は15時からでしたが、入室は14時過ぎから認められ、14:30にはトイレを14:45までに済ませろというアナウンスもありました。14:45からは諸注意と用紙の配布が始まるので、この14:15~14:35の20分くらいで、赤ハンディ本の右ページだけ、ざ~~っと見返ししてみたのですが、これくらいの時間で全体をぱっぱと復習できる使い方が出来たのはよかったです。
筆記試験の感触
いや~、久々に試験という形式を受けたので、まずそっちに緊張しましたが、満遍なく対策できたので「これは見たことも聞いた事も無い」というのは1問も無く、でもちょっと自信なさげな問題が5-6問という、模擬試験の時と同じ感じで終了でした。帰宅後に、オーム社の速報で採点してみたら、48/50問正解だったので96%と自己ベストが出せたようです。*6
どの問題を間違えたって、やっぱり模擬でも間違えてた「9. 三相の定格電流問題」と「22. 接地線の省略に関する間違い探し」だったんですね。前者は係数の1つを反転して覚えてしまっていて、後者は接地線の最小径を1.6mmと勘違いしたがために、「2つの選択肢まで絞れたのに、誤っているものが2つあって困ったなあ…」で、エイヤッしたら間違えました。
実はもう1問、「31. ①の最少電線本数は?」も見直し作業を行う際まで間違えてました。
この手の問題はもう複線図をきっちり書かなくても必要な線の種類くらいだったら、「スイッチがあるだけなので、非接地線と、スイッチ線しかないよね~」ってわかるようになっていたのですが、3路スイッチの先に電灯があるのを見落として、非接地線(W)を忘れていました。怖い怖い。。。筆記試験では、実物が手元に無いので、書いた方が良いですね。
今回、この複線図以外は書かなくても、リングスリーブ問題はケーブルの太さを見ただけで選択肢が1個に絞れるものでしたし、渡りの線はさっき書いた複線図から分かるので、正直、過去の回のように2個も3個も複線図を書く必要が無く、あっけない感じでした。
時間配分に関しても、概ね模擬と同じく60分くらいで解き終わったのですが、ちょうどこの60分のタイミングで途中退出可となり、どわっと半数ぐらいが帰ったので、みんなそんなに速く解き終われるの……?と思いましたが、諦めの人も居るような気が(苦笑)
で、試験後にTwitterを見てみたら、「まさか(問題2の複線図を書かないといけないところで、例年木造住宅とか共用しか出てなかったのに久々の)工場が出るとは…」とか「去年よりさらに難しいのでは?」なんてのも見たので、モウダメダーな人も居たのかなとも思いつつ、「過去問しっかりやっておけば、ほぼ同じ問題でるじゃーん」と再認識した筆記試験でした……。