2015/04/05(Sun)Windows 7のWindows PE 3.0環境を作成する

2015/04/05 17:02 Software::Windows
Windows 7のリカバリ作業で役に立つWindows PE環境の作成方法をメモ。

概要

Windows 7ベースのWindows PE 3.0を作成する方法について述べる。
セットアップ手順のスクリーンショットは、参考文献のTechNetにあるので適宜参照。

ダウンロード

Download WindowsR 7 用の WindowsR 自動インストール キット (AIK) from Official Microsoft Download Centerより、KB3AIK_JA.iso (1.64GB)をダウンロードする。意外とこれが時間かかるんだ……。

各Windows PEバージョンごとのOS対応

Windows PE の新機能より引用。
少しずつ古いバージョンもサポートしているが、最新版のWinPE 5.1ではVistaがサポート外となるなどの注意がある。
Windows PE 1.x
Windows XP, Windows Server 2003
Windows PE 2.0
Windows Vista, Windows Server 2008
Windows PE 3.0
Windows 7, Windows Server 2008 R2
WinPE 2.0対応OS(Windows Vista, Windows Server 2008)
Windows PE 4.0
Windows 8, Windows Server 2012,
WinPE 2.0対応OS(Windows 7, Windows Server 2008 R2),
WinPE 3.0対応OS(Windows Vista, Windows Server 2008)
Windows PE 5.0
Windows 8.1, Windows Server 2012 R2,
WinPE 3.0対応OS(Windows 7, Windows Server 2008 R2),
WinPE 4.0対応OS(Windows 8, Windows Server 2012),
※Windows VistaとWindows Server 2008はサポート外
※Windows 8.1 Updateは、Windows PE 5.1でサポート

展開

そのままISOをマウントしてAutorunで実行されるStartCD.exeを実行しても良いが、必要なファイルだけを取り出して作成する。
ISOを展開できるアーカイバ(7-zipなど)を用いてダウンロードしたISOを開き、WinPEを作成するWindows環境が64bitの場合、以下のファイルを展開。
  • WinPE_LangPacks\amd64\ja-JP
  • WinPE_LangPacks\x86\ja-JP
  • aikamd64.cab
  • Neutral.cab
  • wAIKAMD64.msi
  • WinPE.cab
一方、WinPEを作成するWindows環境が32bitの場合は、aikamd64.cabの替わりにaikx86.cabを、wAIKAMD64.msiの替わりにwAIKX86.msiを使用する。
あくまでAIKをインストールする環境によってインストーラが分かれているだけで、例えばwAIKAMD64.msiを使用してインストール下としても、Win PEはx86(32bit), amd64(64bit)どちらでも作成できる。

起動

スタートメニューにリンクが出来るので、Microsoft Windows AIK\Deploymentツールのコマンドプロンプト管理者として起動。
winpe01.png


実体はC:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\pesetenv.cmdであり、WinPE作成に使用するコマンドのパスを通してくれるだけなので、ここから起動するのが煩雑であれば、手動で以下を%PATH%に登録しても良い。
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\..\AMD64
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\..\x86
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\..\AMD64\Servicing
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\..\x86\Servicing

Win PE環境の作成

Win PE環境を作成するには、copypeコマンドを使用して初期イメージを適当なフォルダに展開し、各種カスタムを加えた上でISOにしてメディアに焼くなり、USBメモリにコピーする等の方法を取る。

copype.cmdに指定する第1引数によって、作成されるWin PEのアーキテクチャーが変更できる。
第2引数のdestinationは今後、何度もコマンド入力する必要があるので、できるだけドライブルートから近いパスの方が良いだろう。
C:\>copype /?
Usage: copype [x86 | amd64 | ia64] destination

Example: copype x86 c:\windowspe-x86
例えばここでは64bitのWindows PE環境を作成する。事前にフォルダを作成する必要はない。
C:\>copype amd64 c:\winpe64


===================================================
Creating Windows PE customization working directory

    c:\winpe64
===================================================

        1 個のファイルをコピーしました。
        1 個のファイルをコピーしました。
        1 個のファイルをコピーしました。
        1 個のファイルをコピーしました。
        1 個のファイルをコピーしました。
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\bcd
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\boot.sdi
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\bootfix.bin
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\efisys.bin
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\efisys_noprompt.bin
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\etfsboot.com
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\fonts\chs_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\fonts\cht_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\fonts\jpn_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\fonts\kor_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\boot\fonts\wgl4_boot.ttf
11 個のファイルをコピーしました
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\boot\bootx64.efi
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\microsoft\boot\bcd
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\microsoft\boot\fonts\chs_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\microsoft\boot\fonts\cht_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\microsoft\boot\fonts\jpn_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\microsoft\boot\fonts\kor_boot.ttf
C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\EFI\microsoft\boot\fonts\wgl4_boot.ttf
7 個のファイルをコピーしました
        1 個のファイルをコピーしました。

Success

Updating path to include peimg, cdimage, imagex

   C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools
   C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\..\AMD64


c:\winpe64>

オプション機能の追加(省略可能)

マウント

WinPE環境を一度マウントして中身を書き換えるが、操作を間違えてしまうとcopypeコマンドからやり直しになるので、バックアップを取ってから作業する。
C:\winpe64\>copy winpe.wim backup.wim

        1 個のファイルをコピーしました。

C:\winpe64\>dism /mount-wim /wimfile:winpe.wim /index:1 /mountdir:C:\winpe64\mount

展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 6.1.7600.16385

イメージをマウントしています
[==========================100.0%==========================]
操作は正常に完了しました。

組み込み済みのオプション確認

デフォルトでは3つのモジュールが組み込みされている。
状態が保留中となっているが、最終的にアンマウント時に/commitすることでWIMに組み込まれるため「保留」という扱いとなっている。
C:\winpe64\>dism /image:C:\winpe64\mount /get-packages

展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 6.1.7600.16385

イメージのバージョン: 6.1.7600.16385

パッケージの一覧:

パッケージ ID : Microsoft-Windows-WinPE-LanguagePack-Package~31bf3856ad364e35~am
d64~ja-JP~6.1.7600.16385
状態 : インストールの保留中
リリースの種類 : Language Pack
インストール時刻 : 2009/07/14 5:04

パッケージ ID : Microsoft-Windows-WinPE-Package~31bf3856ad364e35~amd64~~6.1.7600
.16385
状態 : インストールの保留中
リリースの種類 : Foundation
インストール時刻 : 2009/07/14 3:01

パッケージ ID : WinPE-FontSupport-JA-JP-Package~31bf3856ad364e35~amd64~~6.1.7600
.16385
状態 : インストールの保留中
リリースの種類 : Feature Pack
インストール時刻 : 2009/07/16 16:45

操作は正常に完了しました。

オプションの追加/削除

言語パックは既に組み込み済であるので、別言語が必要であるとか、WSH組み込みが必要という場合を除いて特に何もする必要はない。
コマンドは、dism /image:C:\winpe64\mount /add-package /packagepath:****.cabまたは、dism /image:C:\winpe64\mount /remove-package /packagename:WinPE-Package~*****
パッケージは、C:\Program Files\Windows AIK\Tools\PETools\amd64\WinPE_FPs以下にある。(64bitの場合)

アンマウント

再びWIMイメージに戻すためには、以下のコマンドを発行する。これには少々時間が必要。
変更を反映せずにアンマウントする場合は、/commitの替わりに/discardを指定。
C:\winpe64\>dism /unmount-wim /mountdir:C:\winpe64\mount /commit

展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 6.1.7600.16385

イメージ ファイル : C:\winpe64\winpe.wim
イメージ インデックス : 1
イメージを保存しています
==========================100.0%==========================]
イメージのマウントを解除しています
==========================100.0%==========================]
操作は正常に完了しました。

ISOイメージへ変換

CD/DVDとして起動するには、WIMイメージをISO形式にする必要がある。
WIMをISO\sources\にboot.wimという名前*1で配置し、ISOを作成するoscdimgコマンドを発行する。
C:\winpe64\>move winpe.wim ISO\sources\boot.wim

C:\winpe64\>oscdimg -n -bC:\winpe64\etfsboot.com C:\winpe64\iso C:\winpe64\winpe64.iso


OSCDIMG 2.55 CD-ROM and DVD-ROM Premastering Utility
Copyright (C) Microsoft, 1993-2007. All rights reserved.
Licensed only for producing Microsoft authorized content.


Scanning source tree
Scanning source tree complete (21 files in 9 directories)

Computing directory information complete

Image file is 187695104 bytes

Writing 21 files in 9 directories to C:\winpe64\winpe64.iso

100% complete

Final image file is 187695104 bytes

Done.
-n
ロングファイルネームを有効
-bC:\winpe64\etfsboot.com
ブートセクタファイルの指定(-bの後にスペースを空けないように注意)
C:\winpe64\iso
ISO化するフォルダを指定(中にWIMを入れる)
C:\winpe64.iso
作成するISOファイル名

*1 : 他の名前だと起動に失敗します

起動確認

コマンドプロンプトと、レジストリエディタ、メモ帳程度が使えるWindows PE環境完成!
winpe02.png

番外:USBメモリ経由で起動するには

USBメモリで起動するには、パーティションをFAT32でフォーマットし、ISOフォルダの中身をコピーすればよい。
C:\>diskpart

diskpart>list disk

diskpart>select disk X (XはUSBメモリのIDを選択)

diskpart>clean

diskpart>create partition primary

diskpart>select partition 1

diskpart>active

diskpart>format fs=fat32 quick

diskpart>assign

diskpart>exit

C:\>xcopy c:\winpe64\iso\*.* /s /e f:\ (FはUSBメモリのドライブ)

参考文献

WindowsR 7 標準クライアント イメージの作成手順: 4.ステップ 1. テクニシャン コンピューターの準備 | TechNet
https://technet.microsoft.com/ja-jp/windows/ee676464.aspx

無償入手可能なミニWindows OS「Windows PE」実践活用術:改訂 管理者必携! 最強のデータ・サルベージ・ツールWindows PE 3.0(前編) (3/4) - @IT]
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1007/28/news101_3.html