2012/12/19(Wed)ASRock Z77 Extreme6とIntel Core i7 3770でVT-d対応環境を作る方法

2012/12/19 23:49 Hardware

経緯

久々にメインマシンを交換するか…と思って、2012年の歳末セールでパーツを揃えることに。
長らくASUSTeK一筋だったOCerな私だが、P3B-F, P4B266-E, P5B Deluxe/Wi-Fiと使ってきてしばらく間が空いてしまい、気づけばP8Z77-Proとか出てる……。もうP8の世代か。
と、P8Z77路線をベースに考え始めてたのだが、「どうせ、VMware Hypervisor(ESXi)環境も作れるよう、VT-dとかも対応してるといいな…」と欲を出し、再考。

どうやら、ASUSTeKのP8Z77シリーズは、OCer向けにCPUの型番にKがつく所謂「倍率フリー」CPUと組み合わせることを前提にしているのか、そもそもマザボがVT-d非対応。
仕方がないので、ほどよく弄り甲斐があって、パフォーマンスが出せて、おまけにVT-dに対応しているマザボを探していると、ASRockに当たった。

今回は、そのASRock Z77 Extreme6とCore i7でVT-d環境を作るまでのメモ。

環境

これといって書くこともないけど、一応。
マザーボード
ASRock Z77 Extreme6
CPU
Intel Core i7 3770
メモリ
CFD DDR3-1333 4Gx2
VGA
オンボード出力
PCIe
未接続
どうもVT-dが有効になる条件というのは一概にこれというのが難しいようなので、分かっている範囲で書くと、マザーボードの板自体、マザーボード上のBIOS/UEFIの対応、CPUの3点セットは確実にあるようだ。

CPUに関してはCore i7 - Ivy Bridge - Wikipediaにもあるように、デスクトップ向けCore i7でVT-dを満たすためには、
  • Nehalem世代のLynnfield以降、Sandy Bridge、Ivy Bridge
  • 型番に倍率フリーのKが含まれていないこと
が絶対条件。

マザーボードに関して、確実にVT-d対応しているかを探すのはなかなか難しいが、VTd HowTo - Xenや、ググって実際に動作した実績のある人の書き込みを探すのが一番かと。
ちなみに今回の板、ASRock Z77 Extreme6は上記のXenのWikiに記載があるので安心。

とりあえずセットアップ

いやはや、対応するパーツを買ったんだから何もすることはあるまいと思ったが、まさかのUnsupported表示。どして?
vt-d01.jpg


ふとBIOSのバージョンを見てみると、"P2.30"
vt-d02.jpg



で、公式ページで更新がないか確認すると……

vt-d07.png

2. Modify VT-d Capability will be unsupported after flashing BIOS P2.30.
ということで、どうやら、このバージョンのBIOS特有の問題らしい。

一昔前ならDOSを入れたフロッピーでBIOS Updateだけど、最近は(CDや)USBメモリにBIOSをコピーするだけで楽チンだよね…と思っていたが、この板はBIOSからネットダウンロードが出来るらしい。素晴らしいな……
この状態で、ぷすっとLANケーブルを差し込んでInternet Flashを選ぶだけ。いやはや、ラクチンラクチン。
vt-d03.jpg



しばらく待つと、自動的に再起動してP2.40で立ち上がってきた。
vt-d04.jpg


お待ちかねのVT-d CapabilityはSupportedになってました。めでたしめでたし。
BIOSが更新されたので初期値に戻ってVT-dがDisabledになっている点には注意。きちんとEnabledにしましょう。
vt-d05.jpg

追記:動作検証 2013/02/13

VMware ESXiで検証したところ、このように正しく動作しています。
vt-d08.png

番外編

Internet Flashの設定を見ていると、設定項目の中にDHCP以外にPPPOEというのが……。
いやはや、BIOSがTCP/IPを喋るだけでもビックリなのに、PPPoEまで喋るとは恐れ入ったわ…
vt-d06.jpg


さらに番外編

後からマニュアルを見ていて知ったが、このBIOS/UEFI画面はF12でスクリーンショット撮ってUSBメモリに保存できるのね…。
いったい何バイトのデータかは未確認だけど、もう"ひとつのOS"といっても過言でないくらいの機能が載ってる気がする。