2016/03/12(Sat)メモリ32GB搭載時、Rapid Start TechnologyのS4ハイバネーションからの復帰に失敗する

2016/03/12 2:17 Software::Windows
状況はタイトルの通りですが、どうやらこれは仕様のようです。

環境

OS: Windows 7 x64 SP1
M/B: ASRock Z77 Extreme 6
BIOS: 最新
Memory: 32GB (8GBx4)
C-drive: TOSHIBA THNSNH128GCST (SSD) 128GBうち、末尾32GBにハイバネーション パーティション作成済。AHCI接続済。

IRST: Intel Rapid Storage Technology Driver v11.6.0.1030
IRST設定: タイマー0分(スリープと同時にRapid Start TechnologyのS4ハイバネーションに移行)

状況

上記環境において、RAMが4Gx3=12GBの環境では正しくRapid Start Technologyが作動するが、8Gx4の32GBの環境では、S4ハイバネーション後の復旧に失敗する。
状況としては、S4状態から電源が入った後、復旧を始めようとするがブラックアウトし、そのまま電源が切れる。
再度、電源を投入すると、「正しくシャットダウンされませんでした」と表示され、通常のWindows起動となる。

イベントビューアに以下のように記録されている。
Source: BugCheck
Event ID: 1001
Level: Error
User: N/A
Opecode: Information

このコンピューターはバグチェック後、再起動されました。バグチェック: 0x0000000a (0xfffff8800f000000, 0x000000000000000f, 0x0000000000000001, 0xfffff8000561c079)。ダンプの保存先: C:\Windows\MEMORY.DMP。レポート ID: 。

どうやら…

Intelのサイトの公式情報は得られなかったが、海外フォーラムの情報などをあさっていると、「16GBより大きいRAMを搭載していると、RAM相当のハイバネーション領域を確保していたとしても、IRSTからの復帰に失敗するらしい」ということが判明。
また、東芝の32GB RAM搭載可能機種のFAQにも
※12.Intel® Rapid Start Technology使用領域として、メインメモリが16GBの場合は約18GB使用されます。メインメモリが32GBの場合はIntel® Rapid Start Technology使用領域として18GB使用されますが、Intel® Rapid Start Technologyは機能しません。Windows® 7 Professional使用時は、新たにパーティションを作成することはできません。
とのことで、16GBより大きなRAMでは動作しないとのこと。

IRST更新

IRSTの最新ドライバーから試してみると、Intel Rapid Storage Technology Driver v14.8.0.104では、「このプラットフォームはサポートされていません」とのエラーで適用出来ず。
どうやらメジャーバージョンによって、適用可能なチップセットが決まっているらしい。

Intel Z77系なので、「Intel(R) 7 Series/C216 Chipset Family SATA AHCI Controller」に対応したもの*1を、リリースノートのreadme.txtから確認していくと、v11.xは勿論OK、v12.xはNG、しかしv13.xは「Intel(R) 7 Series/C216 Series Chipset Family SATA AHCI/RAID Controller」との記述があるのでOKらしい。RAIDモードもサポートしたと言うこと……?

v13.6.0.1002は「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジーのアプリケーションは、Microsoft .NET Framework v4.5を必要とします」とのこと。.NET Framework 4.6.1が導入済だったが、それではダメ?
Download Windows Vista SP2、Windows 7 SP1、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2008 SP2、Windows Server 2008 R2 SP1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 用 Microsoft .NET Framework 4.5.2 (オフライン インストーラー) from Official Microsoft Download Centerよりダウンロードして、導入を試みるも
このコンピューターには .NET Framework 4.5.2 またはそれ以降の更新プログラムが既にインストールされています。
と怒られ。
Tech TIPS:.NET Frameworkのバージョンを整理する (1/2) - @ITによれば、
  • .NET Framework v1.0
  • .NET Framework v1.1
  • .NET Framework v2.0, 3.0, 3.5
  • .NET Framework v4, 4.5.x, 4.6.x
という括りで独立しているそうで、v4系はほぼ上位互換かつ、v4.5移行はClient Profileは存在しないそうだから、v4.6.1が入っていれば動くはずなのだが……。


素直に諦めるしかないか…。

*1 : デバイスマネージャーで、"システム デバイス"として確認可能

一手間

このまま放置しておくと、Intel Rapid Start Technologyの常駐型設定アプリ(C:\Program Files (x86)\Intel\irstrt\RapidStartConfig.exe)がWindows起動時に「IRSTが有効になっていません」というエラーメッセージを毎回出してきて面倒。
"タスク スケジューラ (ローカル)\タスク スケジューラ ライブラリ"にこれを起動する設定"Intel® Rapid Start Technology Manager"が登録されているので、タスク無効にする。
さらにCドライブに使わないハイバネーション領域を置いておくのももったいないので、IRST用に確保したパーティションを開放しておく。